馬単ボックス買いとは?買い目点数の計算方法と馬券の買い方を解説
競馬の馬券には全部で9種類の買い方があり、それぞれ的中条件が異なります。
買い方は1種類にこだわらず、レースの条件や展開などを予想したうえで、適宜一番最適な買い方をするのがプラス収支にするためのコツです。
本記事では馬単という馬券について特徴を解説し、ボックス買いという買い方の特徴と買い目点数の計算方法、そして買い目の選び方も併せて解説します。
馬単とは?
同じく1着と2着を当てる買い方には「馬連」がありますが、馬連の場合、着順が逆になっても的中となる点が異なります。
馬単のメリットとデメリット
平均配当については後述しますが、馬単の場合1着が本命馬であっても2着に中位人気の馬が入ってくればオッズはかなり高くなります。
競馬では上位決着にならないということはよくあることです。
たとえ1着が1番人気の馬であっても、2着に人気があまりない馬が来ただけで万馬券になることも多々あります。
・馬券代がかかる
1着と2着を順番通り当てなければならないということもあり、的中難易度はかなり高いです。
最大頭数である18頭立ての場合、的中確率はわずか0.3パーセントです。
そして当てるためにはやはりそれなりに買い目を増やさなければならないので、馬券代がかかるというのも馬単のデメリットといえるでしょう。
不的中となってしまうと、ダメージはかなり大きいです。
馬単は中級者向けの買い方
馬連ならばとりあえず1着と2着に入りそうな馬さえ絞り込めば良いのですが、馬単の場合はどちらの馬が1着になるか2着になるかまで的確に予想しなければなりません。
したがってある程度正確な予想ができなければなかなか当たらないため、競馬の予想の経験がそこそこある中級者向けの買い方といえるでしょう。
初心者の人が2頭買いをするのであれば、馬連や3着以内であれば的中となるワイドを購入したほうが無難です。
馬単の平均配当と買い目点数の計算方法
上記の平均配当ですが、これは数十万円や数百万円といった飛び抜けて高額配当だったときのものも含まれており、あまり現実的な数値ではありません。
もうひとつ、全部の配当金をチェックして実際にどれくらいの数値が出ているのが一番多いかを調べる「中央値」という調べ方で数値を見ると、馬単の平均配当はおよそ3,600円です。
おそらくこちらのほうが平均配当としては現実的な数値といえるでしょう。
馬単の総買い目計算は簡単な計算で出てきます。
最大頭数である18頭の場合は、18×(18-1)となり、全部で306通りです。
馬単ボックスとはどんな買い方?
馬単は順番通り当てなければならないので、例えば「1-2」という買い目を購入して着順が「2-1」となってしまった場合は不的中となります。
しかし、馬単ボックスの場合は「1-2」の裏となる「2-1」も必ず購入することになるので、ボックスで買った馬は着順を気にする必要がありません。
馬単ボックスのメリットとデメリット
馬単の難易度を大きく上げている最大の理由が着順までも当てなければならないということですが、ボックス買いにすることでこの理由を打ち消すことができます。
また、ほかの買い方の場合、軸になる馬を決めたりしなければいけませんが、ボックスの場合はそういった馬ごとの優先順位を決める必要もありません。
馬単ボックスで決めなければならないのは単純に「どの馬を買うか」だけです。
これから馬単を買い始めようとしている初心者には特におすすめの買い方といえるでしょう。
5頭をボックス買いすると20通り、6頭をボックス買いすると30通りにもなります。
1点100円で買ったとしても、それぞれ2,000円、3,000円の馬券代が必要です。
そしてこれだけ買ってしまうと、馬券代よりも配当金のほうが少ない「トリガミ」の発生確率が高くなります。
いくら平均配当がそこそこ高い馬単とはいっても、本命2頭で決着してしまうと20倍以下になってしまうことがあります。
ボックス以外での馬単の買い方
馬単をはじめ、馬券にはボックス買いのほかにもよく用いられる買い方があります。
本項目では「マルチ」「流し」「フォーメーション」という買い方について解説します。
すべての買い方の特徴を把握し、レースごとに使い分けができるようにしておきましょう。
マルチ
例えば7番の馬を軸に、1番から4番を相手馬と設定した場合は、「7-1」「7-2」「7-3」「7-4」「1-7」「2-7」「3-7」「4-7」という買い目をマルチでは購入することになります。
実はこの買い方は「1-7「2-7」「3-7」「4-7」という馬連4点買いとまったく同じ買い方となっており、馬連のほうが購入点数を半分におさえることができます。
マルチで買う場合は、馬連で買うのとどちらがプラス収支になるのかを必ず確認するようにしましょう。
流し
マルチでは軸馬の着順を逆にした買い目も購入しますが、流しの場合は着順が逆の買い目は購入しません。
したがってマルチよりもより正確な予想をする必要がある買い方といえるでしょう。
その分買い目点数はおさえることができるので、対抗馬を増やして穴狙いの馬券を買うこともできます。
フォーメーション
例えば1着に3番4番5番を選び、2着に6番7番8番を選んだのであれば、「3-6」「3-7」「3-8」「4-6」「4-7」「4-8」「5-6」「5-7」「5-8」と9点買いとなります。
フォーメーションでは1着と2着に選ぶ頭数を必ずしも同じにする必要はないですし、1着と2着に同じ馬を入れるなど、臨機応変な買い方ができるのが大きな特徴です。
また、両方の着順で馬を厳選するので、当たる可能性が少ない買い目を自動的に除外できます。
馬単ボックスの買い方一例
馬単ボックスは着順を気にしなくても良いという大きなメリットがある買い方ですが、適当に買ってしまうと買い目点数がとても多くなり、的中しても馬券代のほうが高くついてしまうことがあります。
そのため、しっかりと目的を持って購入する馬を選んだり、買い目点数を決めなければいけません。
本項目では馬単ボックスの買い方の一例を紹介します。
基本は5頭ボックス
買い目点数などを考慮すると馬単ボックスは5頭程度にしておくのが望ましいです。
5頭をボックス買いすると、5×4で20点、1点100円ならば2,000円となります。
最低でも20倍にならなければ的中とはなりませんが、よほど人気が集中している馬2頭が1着2着とならない限りはオッズが20倍以上となるので、そこまでトリガミの心配をする必要はありません。
そして馬を5頭選べるので、例えば2頭は人気上位の馬を選び、残りは穴馬を選ぶといった買い方も可能です。
この買い方の場合1着が上位人気の馬だったとしても、2着に穴馬が来てくれればそれなりの配当になりますし、もし穴馬2頭での決着となった場合、100円が数万円になってくれることもあります。
馬券代と配当金のバランスがもっとも優れているのが5頭ボックスだといえるでしょう。
圧倒的人気馬がいる場合
競馬のレースでは、ときにほかの馬と比べて圧倒的に実力が上の馬が1頭出走している場合があります。
過去にディープインパクトという圧倒的に強い馬が出走した時などは単勝が1.0倍になってしまったこともありました。
このように単勝人気が2倍を切るような馬が出走しているときも実はボックス買いの狙い目です。
圧倒的一番人気というのは、必ずほかの馬からマークされる立場になります。
簡単に前にいかれないように進路を塞いだりするでしょうし、ペースもその馬にとって不利なペースでレースが展開することが多々あります。
たとえずば抜けた能力を持った馬であっても、徹底的なマークによって本来の力が出せず、2着以下になってしまう可能性もゼロではありません。
圧倒的1番人気の馬が2着になってしまうと、それだけでオッズは跳ね上がります。
馬単ボックスで買っておけば、圧倒的1番人気の馬が2着になっても何の問題もないですし、むしろ買っている側としてはとても美味しいです。
さらに1番人気の馬が2着にすらなれず、購入している1番人気以外の馬が1着2着に入った場合は10万馬券も夢ではありません。
1番人気の馬券はしっかりおさえつつ、高配当も狙えるのが最大のメリットです。
圧倒的1番人気の馬は徹底的にリサーチし、何かしら不安要素が見つかれば積極的に勝負しましょう。
軸馬を決めきれない場合
もし馬券を購入しようとしているレースで軸馬を決めきれない場合はどうしたらよいでしょうか。
軸馬を決めきれない場合、基本的には勝負しないほうがよいです。
軸馬を決めきれないようなレースはどの馬が1着2着になってもおかしくないので、そもそも当てること自体が難しいため、馬券代が無駄になってしまう可能性があります。
しかし、資金が潤沢だったり、どうしても勝負したいというのであれば、人気の高い馬をあえて除外し、人気薄の馬でボックス買いをしてみましょう。
まさにギャンブル性の高い買い方ですが、当たれば一獲千金が期待できます。
馬連で買うのも考慮してみよう
馬単で購入する場合、何も馬単にこだわる必要はありません。
もし馬の選択は自信があるものの、着順まで自信がもてないというのであれば、無理に馬単では買わずに馬連で購入することも検討しましょう。
馬連は着順はどちらでも構わないので、選ぶ馬さえ間違っていなければ的中となります。
また買い目点数を比べると馬単よりも少なくなるので、馬券代をおさえることも出来ますし、同じ金額で選ぶ馬を増やすことができます。
馬単で購入する馬の選び方
馬単で馬券を購入する際にネックとなるのが購入する馬の選び方です。
購入する馬の選び方はそれこそ人それぞれ違いますし、どのようなレースになるかによっても変わってきますが、ここではどのようなレースにもある程度対応できる基本的な選び方を紹介します。
上位人気馬2頭くらいは必ず含める
ボックス買いの基本として紹介した「5頭ボックス買い」をするのであれば、5頭のうち2頭は上位人気の馬にしましょう。
上位人気が2頭とも入らないような波乱のレースも無いわけではないですが、基本的には人気のある馬2頭はどちらかが1着ないし2着に入る場合がほとんどです。
2頭ともおさえておけば的中させる可能性は限りなく高くなるでしょう。
そもそも高配当を狙って人気馬を全部外すというのはリスクが大きすぎます。
オッズの切れ目を確認
オッズを人気順に並べると、必ず何か所かオッズが大きく変化している部分があります。
これを「オッズの切れ目」といいますが、馬単の5頭ボックス買いをする場合はこのオッズの切れ目を利用するとよいでしょう。
どこを切れ目にするのかは人それぞれですが、以下あたりで分けてみると、なんとなくグループ分けができるのではないでしょうか。
・5倍から10倍
・10倍から30倍
・30倍から50倍
・それ以上
10倍から50倍以内の中穴馬を3頭くらい含める
上記のグループのうち、「5倍以内」が大本命、「5倍から10倍」が人気馬です。
人気上位2頭はこのあたりから2頭選ぶとよいでしょう。
残りの3頭は、10倍から50倍以内の馬から選ぶようにします。
選ぶ際にはしっかりと過去のデータなどを見て今回のレースと相性が良いかを見極めてください。
上位人気の馬の見極めも大切ですが、馬単で高配当を狙いたいのであれば、この穴馬の見極めをいかに的確にするかが的中率と回収率に大きく影響します。
50倍以上の馬は切ってしまってOK
それ以外のグループ、つまり単勝50倍以上の馬についてですが、5頭ボックスの場合は切ってしまって大丈夫です。
そもそも50倍以上のオッズとなっている穴馬は上位入賞すること自体がまれなので、2着以内に入る可能性は極めて低いです。
また、そもそも5頭ボックス買いでは5頭しか馬を選ぶことができず、5頭のうち2頭は人気の高い馬を自動的に選ぶことになるので穴馬は3頭しか選べません。
貴重な3頭のうち1頭を50倍以上の馬にするのははっきりいってお金の無駄遣いです。
もし50倍以上の馬が2着以内に入ってしまったら、それはそのレースが大荒れになったということなので、きっぱりと諦めましょう。
選んだ馬は過去の成績を必ずチェック
買い目に含めた馬は必ず過去の成績をチェックするようにしてください。
どのレースでも上位に入賞しているような馬であれば、今回のレースでも良い走りが期待できます。
特に見ておかなければならないのは、レースごとに着順が大きく変動している馬です。
そういった馬は中位人気となっているので、いわゆる穴馬の部類に入りますが、どのような理由でその着順になったのかをしっかりと見極める必要があります。
たとえばレース場ごとに大きく着順が変動しているのであれば、明らかにその馬には得意なコースと苦手なコースが存在します。
今回のレースが上位に入っている時と同じ競馬場、または似たようなコースであれば、前回が下位だったとしても、今回は良い走りが十分期待できるでしょう。
順位が下位だった場合は、一緒に走ったメンバーにも注目です。
前走がG1レースで、今回がG3レースといった場合、出走するメンバーのレベルは前走と比べるとかなり下がることになります。
すると、前走では惨敗した馬も今回はしっかりと上位に入ってくれる可能性が高いです。
このように過去のレースを細かく見ていくと、今回のレースでは上の順位に来てくれるかどうかをある程度判断することができます。
まとめ
馬単は、1着と2着を着順どおりに当てることで的中となる馬券の買い方です。
同じ1着と2着を選ぶ買い方に馬連がありますが、馬連は2着と2着が逆になっても的中となるので、馬連と比べると難易度が高い馬券といえるでしょう。
その分当たったときは馬連よりも高配当が期待できます。
馬単ボックスは、選んだ買い目がすべて当たるような馬券の買い方で、ボックス買いをすることで着順を気にする必要がなくなります。
しかし、その一方でボックス買いは買い目点数が多くなるというデメリットが存在します。
馬単ボックスで馬券を買うのであれば、買い目点数が20点で済む5頭ボックスがもっともおすすめです。
配当が高い馬券というと、3連単を思い浮かべる人が多く、馬単は見向きもされないことが多いです。
実際馬券の買い方や予想に慣れてくると、すぐに3連単に手を出す人もいますが、1着から3着を着順通り当てるのと、2着までを当てるのとでは難易度がまったく違います。
馬単を安定して当てられない人が3連単など当てられるわけがないのです。
3連単を当てる事が最終目標なのであれば軽視せずに、せめて収支ゼロにできるくらいまでは馬単で予想力を磨いてください。