【2022年】菊花賞の予想に役立つデータを紹介!過去の傾向や要注目馬を解説!

菊花賞の予想に役立つデータを紹介!過去の傾向や要注目馬を解説!

3歳世代のトップを決める「クラシック3冠」といえば、「皐月賞」「日本ダービー」そして今回詳しく解説する菊花賞です。

「皐月賞は最も速い馬が勝つレース」「日本ダービーは最も運が良い馬が勝つレース」と言われているのに対し、菊花賞は「最も強い馬が勝つレース」といわれていて、本当に強い馬でなければ勝ち切る事が出来ないレースです。

本記事ではクラシック3冠の最後を締めくくる「菊花賞」について、基本情報や開催される競馬場のコースの特徴、そして傾向や注目馬など予想に役立つ情報を解説していきます。

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菊花賞の基本情報

菊花賞(引用元:https://www.jra.go.jp/keiba/thisweek/2021/1024_1/race.html)

菊花賞が開催される競馬場やコース、賞金など基本情報を表にまとめました。

競馬場と距離 京都競馬場芝3,000m(2021,2022は阪神競馬場で開催)
1着賞金 1億5,000万円
出走条件 サラ3歳(地方・外国馬も出走可)
負担重量 57㎏、牝馬-2㎏

2021年まで1着賞金は1億2,000万でしたが、2022年より3,000万円アップして1億5,000万円となっています。

菊花賞の概要

菊花賞の設立は1930年と、G1レースの中でも特に歴史が古いレースのひとつで、他のG1レースと区別する意味を込めて「クラシックレース」と呼ばれています。

設立時は「京都農林省賞典四歳呼馬」という名称でしたが、「皐月賞」「日本ダービー」と本レースが「クラシック3冠レース」として位置づけられた際に現在の名称となりました。

前述のとおり、菊花賞は「最も強い馬が勝つ」レースといわれています。
3歳馬で菊花賞を経験する前に出走できる3,000mレースはなく、未知の距離に挑戦することとなるうえに坂を2回も登る必要があり、非常にタフな条件でのレースとなります。

したがって、生半可な力でこのレースに勝つことはできず、オルフェーヴル、ゴールドシップ、キタサンブラック、フィエールマン、エピファネイアなど菊花賞に勝利した競走馬の多くはその後の古馬G1レースでも活躍していることからも、本当に実力ある競走馬だけが勝利できるレースであるということが分かります。

G2レースの「セントライト記念」「神戸新聞杯」が菊花賞のトライアル競走となっており、両レースで3着以内に入着した競走馬には菊花賞の優先出走権が与えられます。

地方競馬所属の競走馬は上記トライアルレースで同じく3着以内に入着するか、桜花賞、皐月賞、日本ダービー、オークスで優勝すれば優先出走権が、同レースに加えNHKマイルカップで2着以内に入れば出走登録ができるようになります。

菊花賞が開催されるコースの特徴

京都競馬場(引用元:https://www.jra.go.jp/facilities/race/kyoto/course/index.html)

菊花賞は本来京都競馬場で開催されるレースですが、2021年と2022年は改修工事が行われるため、阪神競馬場でレースが開催されます。

改修工事はスタンド部分がメインとなっており、コース自体に変化はないので、本項目では京都競馬場3,000mと阪神競馬場3,000mの特徴を解説していきます。

まず京都競馬場開催の場合ですが、スタートは3コーナー手前の上り坂の途中からとなっています。
つまりスタートしてすぐに坂を登らなければならない、というわけです。

スタートしてから200mほどで最初のコーナーに差し掛かるため、本来ならば激しい先行争いになりますが、3,000mという距離といきなり上り坂ということもあって、そこまで位置取り争いは激しくならないでしょう。

3コーナーを回って4コーナーに差し掛かる部分は下り坂になっており、そこを過ぎれば再び第3コーナー手前までは平坦なコースとなっています。

コーナーを6回も回るうえに最初のコーナーまでの距離が短く、そこまで強気にポジション争いができないということもあって、どちらかといえば内枠が有利となりやすいコースといえるでしょう。
最後の直線はおよそ400mと平均的な長さです。

阪神競馬場(引用元:https://www.jra.go.jp/facilities/race/hanshin/course/index.html)

続いて阪神競馬場芝3,000mの特徴を解説していきます。
阪神競馬場の芝3,000mは向こう正面からスタートし、京都開催と比べると最初のコーナーまでの距離は十分あり、未知も平坦なのでポジション争いはそれなりに激しくなるでしょう。

とはいえ、ポジション争いでスタミナを失うわけにもいかないのである程度走れば落ち着くはずです。
3コーナーから4コーナーを回る際に緩やかな下り坂となりますが、直線に差し掛かって半分くらいまで進むと、眼前の高低差1.8mの急な上り坂が待ち構えています。

京都競馬場の場合は直線部分は平坦でしたが、阪神競馬場ではゴール前に坂があるので、この坂をものともしない末脚やパワーが無ければ勝ち切ることは難しいでしょう。

坂が設けられている場所は違いますが、どちらのコースでも2回の坂越えを乗り切らなければならないので、かなりスタミナがないと走り切る事すら困難であるという点に変わりはありません。

過去10年間3着以内に入着した競走馬たち

過去10年間3着以内に入着した競走馬たち

2021年から遡って過去10年間で3着以内に入着した競走馬たちを表にまとめました。

年度 馬場 着順 馬番 競走馬名
2021 1 3 タイトルホルダー
2 18 オーソクレース
3 11 ディヴァインラヴ(牝)
2020 1 3 コントレイル
2 9 アリストテレス
3 10 サトノフラッグ
2019 1 5 ワールドプレミア
2 4 サトノルークス
3 13 ヴェロックス
2018 1 12 フィエールマン
2 9 エタリオウ
3 7 ユーキャンスマイル
2017 不良 1 13 キセキ
2 4 クリンチャー
3 14 ポポカテペトル
2016 1 1 サトノダイヤモンド
2 9 レインボーライン
3 6 エアスピネル
2015 1 4 キタサンブラック
2 11 リアルスティール
3 17 リアファル
2014 1 2 トーホウジャッカル
2 4 サウンズオブアース
3 10 ゴールドアクター
2013 不良 1 3 エピファネイア
2 14 サトノノブレス
3 10 バンデ
2012 1 1 ゴールドシップ
2 16 スカイディグニティ
3 15 ユウキソルジャー

2021年度は過去10年間で初めて牝馬が3着以内に入着しました。

過去のデータから見られる傾向

過去のデータから見られる傾向

過去の3着以内に入着している競走馬たちにはどのような共通点があるのかを調べてみました。
共通点を見ることで菊花賞はどういった競走馬が勝ちやすいのかが少しずつ分かるようになります。

前走が神戸新聞杯3着以内

トライアルレースに出走し、好成績を挙げている競走馬は菊花賞でも良い成績を残すことが多いです。
特に神戸新聞杯に出走し、3着以内に入着している競走馬は菊花賞でも1頭は必ずといってよいほど馬券内に入っています。

さらに入着している競走馬のうち8頭は菊花賞優勝馬です。
2022年の菊花賞も神戸新聞杯を制した馬がかなり有利にレースを進めることになりそうです。

一方のセントライト記念ですが、3着以内の競走馬はやはり好走する傾向にあり、1頭は馬券内に絡んでいることが多いです。

しかも神戸新聞杯好走馬と比べるとあまり人気が高くなく、結果として穴馬となっているのにも関わらず激走している、という結果になりやすいため、高配当を狙っているのであれば、セントライト記念の上位3頭をチェックしておきましょう。

前走3着以内

上記トライアルレース含め、菊花賞3着以内に入っている競走馬30頭のうち27頭が前走3着以内と好走しています。
前走で惨敗を喫した競走馬はほぼ馬券内には入ってこないと考えてよいでしょう。

以上の傾向を考慮すると、出走馬が前走どのレースに出走し、何着になっているかはしっかりと調べる必要がありそうです。

また、京都競馬場での開催の際は1枠から3枠の競走馬が入着するケースが多いという傾向も頭に入れておいたほうがよいでしょう。

要注目馬

要注目馬

菊花賞に出走すれば上位入着が期待される3歳馬を紹介します。
残念ながら既に出走を辞退している馬も存在しますが、本年度の3歳馬のなかではトップクラスの能力を持っているという意味も含めてそのまま紹介することにしました。

イクイノックス

東京スポーツ杯2歳ステークスの勝ち馬であり、桜花賞と日本ダービーの2着馬です。
桜花賞では3番人気ではありましたが、前走から5か月以上間隔が開いているということもあり、不安視されていました。

しかしそんな不安を払拭するような走りを見せ2着に入ると、次のダービーでは大外枠という状況でありながら、最後はドウデュースを捉えようかという末脚を見せて激戦を繰り広げています。

実力的には3歳牡馬のなかでもトップクラスなので菊花賞に出走すれば馬券内に入る可能性は高いと期待されていたのですが、先日菊花賞ではなく天皇賞秋を目標にすると表明しました。

アスクビクターモア

G2レース「弥生賞ディープインパクト記念」の勝ち馬です。
皐月賞では6番人気でありながら5着と健闘、次の日本ダービーはかなりのハイペースだったにも関わらず早めの先行策をしかけ、途中でスタミナ切れを起こすのではと思われましたが、驚異的な粘りを見せて3着に入るという活躍を見せてくれました。

この走りを見てもスタミナは相当にありそうな競走馬だといえそうです。
現状春のクラシック路線で上位入着した競走馬のなかで菊花賞に出走する可能性が高い競走馬はこのアスクビクターモアだけとなっており、出走すれば本命候補の1頭といえるでしょう。

かつて菊花賞まではあと一歩のところまで届かなかったキタサンブラックは菊花賞で勝った後世代を代表する競走馬となりましたし、今年はタイトルホルダーが他を寄せ付けない圧倒的な強さを見せています。
アスクビクターモアも菊花賞優勝をきっかけに驚異的な成長を見せる可能性は大いにあります。

ダノンベルーガ

共同通信杯の勝ち馬です。
能力的にはイクイノックスやドウデュースに匹敵するものを持っているのですが、皐月賞、日本ダービー共にレース中の展開に恵まれず本来の末脚を生かし切ることはできませんでした。

しかしそのような状況にあって良レースとも4着になっているのは高い能力があるという何よりの証拠です。

次走については今のところ不明ですが、2,400mは十分にこなしているので夏の間にしっかり調教すれば3,000mを走り切るだけのスタミナはあるのではないでしょうか。

プラダリア

G2レース青葉賞の勝ち馬です。
ダービーでは惜しくも5着に破れてしまいましたが、この馬の持ち味は何と言ってもスタミナです。

3月から1か月間隔で2,400mのレースに3度出走し続けていながら超ハイペースの2022年日本ダービーで5着に入着するというのは並大抵のスタミナでは出来ないことです。

正式には表明していませんが、菊花賞を目標に調整をしているといわれており、トライアルレースである神戸新聞杯をしっかり勝ち切ることができれば優勝候補の一角になる可能性は十分あります。

キラーアビリティ

ホープフルステークスの勝ち馬です。
しかしながら春のクラシックレースである「皐月賞」「日本ダービー」では力を出し切れずに不甲斐ない結果に終わってしまいました。

このまま終わってしまうような能力ではないでしょうから、夏にしっかりリフレッシュして、秋からの飛躍に期待したいところです。

所有者の方から菊花賞には挑戦しないというコメントが出たとの情報があり、残念ながらキラーアビリティも菊花賞に出走することはなさそうです。

菊花賞の存在意義について

菊花賞の存在意義について

皐月賞や日本ダービーで好走した競走馬は、これまで菊花賞を目指すことが多かったのですが、近年はイクイノックスやダノンベルーガのように出走を回避する競走馬が相次いでいます。

菊花賞は歴史あるレースであることは間違いないのですが、他のレースと比べると軽視されてしまっているというのが現状です。

「菊花賞が長距離レースである」というのが、他のレースと比べると軽視されてしまっている最大の理由でしょう。
世界的に名高いレースの多くは短距離・マイル・中距離レースであり、長距離レースはありません。

日本国内においても、秋のG1レースのスケジュールを考えると、菊花賞に出て競走馬に多大な疲労をかけるよりも「天皇賞秋」に出走し、その結果を見て「ジャパンカップ」あるいは「有馬記念」を目座す方が賞金的にもメリットが大きいというのは逃れようのない事実です。

この現状を見て、一部の競馬ファンの中には「菊花賞事態を廃止して別のレースにするべきでは?」という意見を持つ人も存在します。

しかし、日本競馬の発展を考えるのであれば、そして世界に通用する競走馬を生み出すことが目的なのであれば、「菊花賞」をはじめ長距離重賞レースは必要だというのが個人的な意見です。

日本競馬界の悲願といえば、やはり「凱旋門賞制覇」でしょう。
エルコンドルパサー、ディープインパクト、オルフェーヴルと、これまで幾多の歴史的名馬が挑戦しましたが、未だに優勝した日本の好走場は出てきていません。

日本競馬の芝コースというのは整備が十分になされており、非常に走りやすい馬場となっています。
しかし凱旋門賞が開催されるフランスをはじめ海外の芝コースはクッション性が高く、勝ち切るにはスピードだけではなくパワーも必要です。

パワーを長時間を出し切るには当然スタミナも必要で、そうなると日本の競馬場の中距離が走れる程度のスタミナではなかなか難しいでしょう。

事実、失格とはなりましたが3着に入ったディープインパクトは菊花賞、天皇賞春を制しており、2着2回のオルフェーヴルもまた、菊花賞を制しています。

2022年度はタイトルホルダー、ドウデュース、ディープボンドが凱旋門賞出走を表明していますが、このなかで最も期待されているのは菊花賞と天皇賞春を圧勝したタイトルホルダーです。

菊花賞が今後どのような扱いになるのかは分かりませんが、長距離重賞を勝ち切る馬が本当に強い馬であるという評価は変わることがないのではないでしょうか。

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まとめ

菊花賞は1930年に設立されており、日本競馬の重賞レースではトップクラスに古い歴史を持っているレースのひとつです。

G1レースのなかでも「クラシックレース」のひとつに位置づけられており、このレースに勝利することは大変な栄誉となっています。

皐月賞は最も速い馬が勝つレース、日本ダービーは最も運の良い馬が勝つレースといわれているのに対し、菊花賞は「最も強い馬が勝つレース」と言われています。

その最大の理由は走行距離で、菊花賞のコース距離は3,000mとなっており、どの3歳馬にとっても未知の距離です。

本来の開催競馬場である京都競馬場、京都競馬場が改装工期中に菊花賞の舞台となっている阪神競馬場共に距離が長いだけではなく2回も上り坂を超えなければいけないため、中距離レースとは比べものにならないほどスタミナが必要で、スタミナが少ない競走馬はまともに走る事すら困難になってしまうでしょう。

実際に菊花賞を勝利した多くの競走馬がその後の競馬界をけん引するような名馬となっています。
ところが、世界的に中距離レースが重要視されているということもあり、菊花賞は年を追うごとに軽視されていってしまっているというのが現状です。

「3冠を狙えるのであれば出走する」という扱いになっているケースがとても多く、近年は皐月賞や日本ダービーで好走した競走馬が3冠を狙えないという理由で菊花賞の出走を辞退する事例が増えてきました。

しかし日本競馬界の悲願である凱旋門賞を勝つためには日本競馬界の中距離程度を走れるようなスタミナでは不十分です。

2022年度は菊花賞を制したタイトルホルダーが凱旋門賞に挑戦します。
もしタイトルホルダーが凱旋門賞を制するようなことがあれば、菊花賞の存在価値は再び高まるのではないでしょうか。