ディープインパクト産駒について徹底解説!最高傑作はどの競走馬?

ディープインパクト

競馬についてほとんど知らない人でも、ディープインパクトという競走馬の名前くらいは知っているのではないでしょうか。

ディープインパクトは間違いなく日本競馬界に衝撃と多大な功績を残した名馬であり、現在においても日本競馬界史上最強場は誰かという議論になった際に名前が挙がる1頭です。
本記事ではディープインパクト自身の魅力と、産駒の特徴、そして代表産駒について解説していきます。

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「英雄」と呼ばれた名馬ディープインパクト

ディープインパクト(引用元:JRA)

名馬にはその馬を表すのにふさわしい別名が付けられます。
史上初の無敗クラシック三冠を達成、その絶対的強さから「皇帝」と呼ばれたシンボリルドルフ、シャドーロールを装着し、その暴力的な走りから「シャドーロールの怪物」と呼ばれたナリタブライアンなど、別名を見ただけでその馬がいかに凄まじい強さだったかが分かるものばかりです。

ディープインパクトには「英雄」という別名が冠せられています。
実はこの別名を提案したのは、ほかならぬ主戦騎手だった武豊騎手であることは余り知られていません。

ディープインパクトが登場した時期、中央競馬は売り上げ不振の状況であり、スターホースを欲しているという状況でした。
そんな中登場したディープインパクトにJRAは多大なる期待を寄せていて、そのプレッシャーは武騎手自身も強く感じていました。

しかしディープインパクトはそんな武騎手の不安を吹き飛ばすような圧倒的な勝ち方を見せ、武騎手はとても助けられたそうです。

誰が見ても分かる圧倒的な走り

競馬を全く知らない人が見ても分かる、その圧倒的で観るものを魅了する走りはディープインパクトの人気を不動のものとした最大の要因と言えるでしょう。

ディープインパクトはスタートが下手なのでいつも出遅れていたのですが、最後方から前の馬をすべてごぼう抜きし、独走状態でゴールを駆け抜けるという、信じられないようなレースをディープインパクトは毎回やってのけました。

ディープインパクト以降も強い馬は続々と登場しましたが、「この馬が負ける姿が想像できない」と思ってしまうようなレース運びをするような馬はディープインパクト以降登場していないのではないでしょうか。

小柄な見た目でも大人気

これだけ豪快なレース運びをするにもかかわらず、ディープインパクト自身は牡馬にしては非常に小柄であり、一見するとまるで牝馬のような体格でした。
この小さな体格も女性の競馬ファンからは可愛いと好評で、ディープインパクトの人気を高める要因になっています。

そのほかの特徴としては、身体がとてもやわらかいこと、更に身体が丈夫なのか現役時代に怪我らしい怪我をまったく負わなかったことは特筆すべき点でしょう。
また、心肺機能も飛び抜けて高く、爆発的な末脚を繰り出してもそれほど疲れを見せることはありませんでした。

種牡馬として競馬界に大きく貢献

ディープインパクトが多大な評価を受けているのは、競走馬として非凡な能力を有していたことも理由の一つなのですが、それ以上に種牡馬として日本競馬界に多大なる貢献をしたからです。

初年度からG1勝利馬を輩出、その後も続々と産駒は勝ち続け、2012年に初めてリーディングサイヤーになると、2021年までずっと1位の座を譲らず守り続けました。

後述しますが、ディープインパクト直結の子は2023年デビュー産駒が最後となってしまいます。
しかし、ディープインパクトの血を受け継いで優秀な成績を残した種牡馬、繁殖牝馬が数多く存在するので、今後はディープインパクトの血を受け継ぐ競走馬たちによって日本競馬界は支配されることはほぼ間違いありません。

ディープインパクトの血統を解説

サンデーサイレンス(引用元:JRA-VAN World)

ディープインパクトのお父さんとお母さんについて簡単に解説していきます。
ディープインパクトの父馬であるサンデーサイレンスはディープインパクトが一時代を築く前に一時代を築いた伝説級の大種牡馬でした。

サンデーサイレンス自身もG1レース6勝という凄まじい実績を残しているのですが、それ以上に日本の競馬界に残した功績は絶大なもので、この馬の登場によって日本競馬界の血統図は完全に塗り替えられたといっても過言ではありません。

母馬であるウインドインハーヘアは3歳を6戦2勝とまずまずの成績で終えると4歳に繁殖牝馬となります。
日本の競馬であれば繁殖牝馬イコール引退なのですが、ウインドインハーヘアはなんと繁殖牝馬の状態で現役を続行、さらに何とドイツのG1レースを制してしまいます。

メンバーが弱いとかでは決してなく、このレースにはドイツの伝説的名馬であるモンスーンも出走していたので、かなり高いレベルのレースであったことは間違いありません。
ちなみに彼女は2023年現在も存命であり、ノーザンホースパークで悠々自適な余生を送っています。

ディープインパクト産駒の特徴

ディープインパクト産駒の特徴

ディープインパクトが類まれなる能力を有していることは競走馬時代の経歴を見れば理解してもらえたと思います。

競馬はブラッドスポーツと呼ばれており、仔馬は親の馬の能力を色濃く受け継ぐといわれているので、ディープインパクト自身の競走能力はそのまま子供たちにも受け継がれています。

ここではディープインパクト産駒の競走馬たちの特徴を4つ紹介します。
もちろん全てのディープインパクト産駒に当てはまるわけではありませんが、大まかな傾向を掴むためにも覚えておいて損はありません。

【日本競馬の結晶】ディープインパクト産駒の特徴とは?得意距離やコースも解説【日本競馬の結晶】ディープインパクト産駒の特徴とは?得意距離やコースも解説

スピードと瞬発力に優れている

ディープインパクトが圧倒的な力を発揮した一番の要因は何と言っても最後方から一気に前を捉える爆発的な瞬発力とスピードです。

ディープインパクト産駒もこの能力を受け継いでおり、スピードと瞬発力に優れた馬が生まれることが多く、これがスピード化の傾向が強い近年の日本競馬とマッチしています。

ディープインパクト自身はスタミナにも優れた競走馬でしたが、産駒もスタミナ豊富であることが多く、差し馬だけではなく先行、逃げ馬になってもその能力をいかんなく発揮できます。

マイルから中距離までを得意とする

ディープインパクト自身は中距離から長距離で圧倒的な強さを発揮しましたが、産駒が活躍している距離はもう少し短くなっていて、1,400mから2,400mで活躍している馬が多い傾向にあります。

しかし、あくまでもこの距離で活躍している競走馬が多いというだけであって、もう少し短い距離であっても、もう少し長い距離であっても馬券に絡む事は多々あります。

むしろこの傾向にとらわれると美味しい馬券を逃すことになるので、得意距離に囚われず、実績をしっかりと確認しておいたほうが良いでしょう。

直線が長くスピード勝負になる競馬場が得意

瞬発力とスピードに優れているという事は、直線勝負になりやすい、直線距離が長い競馬場で特に力を発揮するということになります。
札幌競馬場、京都競馬場、阪神競馬場、東京競馬場といった競馬場で特に高い連対率を誇っています。

しかし何しろ産駒の頭数が多いので、直線があまり長くない函館競馬場や福島競馬場でもそれなりの実績を残しているのが実情です。
それよりもレース展開のほうを重要視すべきでしょう。

スタミナが少ないわけではありませんが、終始ハイペースでタフな展開になると、最後の瞬発力を発揮しづらく、不利になりやすいです。

早熟傾向

ディープインパクト自体は早々に種牡馬入りさせることが決まっていたため、ピークを過ぎる前に引退しました。

したがってそのまま現役を続けていたらどうなっていたかは不明ですが、ディープインパクト産駒はどちらかと言えば早熟傾向にあり、3歳から4歳までが活躍のピークとなっている傾向にあります。

逆にディープインパクトと同期の種牡馬で晩成傾向にあるのがハーツクライ産駒で、4歳以降に才能を一気に開花させる馬たちが多いです。

ディープインパクト産駒最高傑作は?

ジェンティルドンナ(引用元:JRA-VAN World)

ディープインパクト産駒の中には数多くのG1馬が誕生していますが、その中でも最高傑作はどの馬かという話になればおそらく満場一致でジェンティルドンナを選ぶのではないでしょうか。
ジェンティルドンナが現役時代に獲得したタイトルは以下の通りです。

ジェンティルドンナが現役時代に獲得したタイトル
・牝馬三冠(2012年)
・JRA賞年度代表馬(2012年・2014年)
・最優秀3歳牝馬(2012年)
・最優秀4歳以上牝馬(2013年・2014年)

桜花賞・オークス・秋華賞の牝馬三冠を制したほか、ジャパンカップを連覇、更には牝馬にとってはかなり厳しいレースを強いられる有馬記念をも勝利しています。
現役時代の輝かしい成績を受けて、2016年には名馬中の名馬しか選出されない顕彰馬にも選ばれました。

印象的なレースは何と言ってもオルフェーヴルとの三冠馬対決となったジャパンカップでしょうか。
最後の直線では進路をふさがれる危機に見舞われたのですが、なんとオルフェーヴルを弾き飛ばして進路をこじ開け、オルフェーヴルとの叩き合いを制しました。

ジェンティルドンナはイタリア語で貴婦人という意味なのですが、このレースを含めて牡馬顔負けの走りを見せることから、一部では鬼婦人という異名をつけられています。

ちなみに彼女の現役時代、届いたファンレターは約9割が女性からのものだったそうです。
牝馬でありながら王道路線を進み、牡馬に真っ向勝負を挑んで勝利するその姿に多くの女性ファンが勇気づけられたのでしょう。

ディープインパクト産駒の代表馬たち

ディープインパクト産駒の代表馬たち

ディープインパクト産駒は一時代を築いたといっても良く、重賞レースに出走している競走馬のほとんどがディープインパクト産駒という時期があったほどでした。

G1レースだけでも合計70勝しており、とても全てのG1馬を紹介する事はできません。
ここではディープインパクト産駒のG1馬の中でも特に代表馬として名前が挙がるであろう7頭を紹介します。

マルセリーナ

マルセリーナはディープインパクト産駒で初めてG1レースを勝利した競走馬です。
競走能力が高いうえに身体がとても柔らかかったマルセリーナはとても期待されていたのですが、夏のデビューを見越して調教していたのですが、調教中に全治三か月の怪我を負い、一時は競走馬としてデビューすることすら危ぶまれた状態でしたが、暮れの12月になんとかデビューに漕ぎつけます。

初戦を勝利すると次走はいきなりシンザン記念に出走、ここで3着に入る活躍を見せると、オープン戦を勝利、次走は桜花賞を選択することとなりました。

桜花賞ではレーススタート後に進路を塞がれて後方を走らされる厳しい展開になりますが、直線になると狭いところを突き抜けて1着でゴール、見事にディープインパクト産駒として初のG1タイトルを手にしたのでした。

しかし、その後5歳のマーメイドステークスを勝利するまで勝つことができず、5歳のエリザベス女王杯を最後に競走馬登録を抹消、現在は繁殖牝馬となっています。

キズナ

キズナという名前が誕生する経緯には、この馬が生まれた年に発生した東日本大震災が大きく影響しています。
この未曾有の自然災害が発生した頃、世間では盛んに「絆」という言葉が使われるようになりました。

キズナのオーナーである前田幸治氏は、2011年に誕生した馬の中で最も高い能力を示した馬に「キズナ」という馬名をつけようと決めており、当時キャットと呼ばれ、極めて高い評価がなされていた馬にこの名前がつけられることになりました。

デビューするとデビューから2連勝と期待通りの強さを見せ、3戦目に重賞初挑戦となったのですが、紆余曲折あって騎手が乗り替わりとなります。
乗り替わりの騎手はレジェンド、武豊騎手でした。

この時の武豊騎手は大スランプに陥っており、年間勝利数がピーク時の半分以下にまで落ち込んでいました。
そんな武騎手を前田氏はあえて起用し、何とか復調の足掛かりになってくれればとの配慮でした。

しかし武騎手を起用してから重賞を連敗してしまいます。
この時点で皐月賞に出走できない事が確定したため、陣営は日本ダービーに出走する為のスケジュールを組みます。

毎日杯を圧倒的な強さで勝利し、賞金を加算してダービーへの出走条件は整いましたが、さらに実践を積むために京都新聞杯に出走しました。

京都新聞杯を快勝したキズナは、いよいよダービー本番を迎えます。
ダービーでは有力馬を抑えてキズナが1番人気となり、低迷していた武騎手にとっては久しぶりに人気馬に騎乗する事となりました。

レーススタート後、キズナはほぼ最高峰からレースを進めます。
最終コーナー手前になって耐えきれなくなった馬たちが進出してもキズナは自分の位置を堅守し、最終直線に入ってからスパートをかけ始めました。

そこからは桁違いの末脚を見せ、前を走るエピファネイアを捉えるとそのまま差し切ってゴール、見事に武騎手にダービー5勝目をプレゼントしたのでした。
ウイニングランでは「ユタカコール」が巻き起こり、武騎手はインタビューで「僕は、帰ってきました!」と復活を高らかに宣言しました。

武騎手はのちに、この勝利は自分の騎手人生にとっての分岐点になったと語っています。
インタビュー時の言葉通り、このレースの勝利後武騎手は完全にスランプから脱出、2016年にはキタサンブラックでG1勝利を量産していく事となります。

馬名通り、キズナは武騎手と馬主さんとの長年の付き合いで生まれた絆によって武騎手のお手馬となり、武騎手が復活するきっかけを与えた、武騎手にとって特別な競走馬の1頭なのです。

ミッキーアイル

ミッキーアイルは主に短距離・マイル距離のレースで高い能力を発揮したディープインパクト産駒の1頭です。
デビュー戦では2着に敗れるものの、未勝利戦では2位に5馬身差、1,600mのレコードタイムで勝利、続くひいらぎ賞も逃げて3馬身半差の圧勝という結果で3歳を迎えることとなります。

3歳初戦、シンザン記念をまたもレコード勝ちで重賞初制覇、アーリントンカップも逃げて重賞を連勝、いよいよG1レースであるNHKマイルカップに挑みます。
ここでも粘りの逃げで勝利、5連勝で初のG1タイトルを手にしました。

しかし続く安田記念では不良馬場に苦しみ16着と初の大敗を喫します。
秋初戦のスワンステークスは勝利するも、マイルチャンピオンシップ、阪神カップでは良いところを見せられず3歳を終えることとなりました。

4歳では勝つことができず、5歳の初戦は浜中俊騎手が負傷していたため松山弘平騎手に代わり、阪急杯から始動します。

阪急杯を勝利して1年4か月ぶりの勝ち星を挙げると浜中騎手に騎乗が戻り、高松宮記念、スプリンターズステークスとG1レースで2着に好走、そして11月のマイルチャンピオンシップにおいて得意の逃げ戦法で勝利、G1レース2勝目を達成しました。

しかし阪神カップでは直線で失速して6着に終わります。
これが引退レースとなり、翌年競走馬の登録を抹消し、種牡馬となりました。
産駒には重賞6勝で高い人気を誇るメイケイエール、重賞4勝のナムラクレアが居ます。

サトノダイヤモンド

サトノダイヤモンドは主に長距離で活躍した競走馬でした。
馬娘プリティーダービーでも主役級のキャラとして登場しており、知っている人も多いのではないでしょうか。
サトノダイヤモンドはセレクトセールで2億3,000万円という価格で落札されます。

このことが話題となり、デビュー戦から圧倒的1番人気で支持されるとこの人気に応えて圧勝、続く第2戦も勝利して前評判通りの高い能力を見せつけました。

3歳初戦はきさらぎ賞を選択、ここでも圧倒的1番人気になると直線で先頭に立つと後続をどんどん突き放して3馬身差以上で勝利、負けなしの3連勝で皐月賞に挑みます。

しかし皐月賞では前の馬が斜行したため不利を喰らって3着と初の敗北を喫します。
続くダービーではレース中に落鉄するというアクシデントに見舞われながらマカヒキと壮絶な叩き合いを繰り広げ、ほぼ同体でゴールしましたが、写真判定の結果マカヒキがわずかに先行していたため2着に終わりました。

秋初戦は神戸新聞杯に出走、ここでは単勝1.2倍の1番人気に応えて勝利、クラシック最終戦である菊花賞に挑みます。
菊花賞では皐月賞馬ディーマジェスティ―との2強争いムードとなってこの2頭で人気を分け合っていました。

しかしレースではディーマジェスティ―をまったく寄せ付けずにサトノダイヤモンドの独壇場となり、2着に2馬身以上の差をつけて完勝、ついにG1タイトルを手にしました。
この勝利は鞍上のクリストフ・ルメール騎手にとってもクラシック初制覇となっています。

そして有馬記念ではウマ娘プリティーダービーでもライバルとして描かれているキタサンブラックとの初対決となります。
サトノダイヤモンドはここで1番人気、キタサンブラックは2番人気に推され、この2頭の2強ムードでレースはスタートしました。

最終直線ではキタサンブラックに3番人気だったゴールドアクターを加えた3頭の争いになりますが、最後はサトノダイヤモンドが前を行くキタサンブラックを差し切って見事に3歳で有馬記念を制します

4歳になると凱旋門賞を目指してのスケジュールが組まれ、まず初戦の阪神大賞典を勝利すると、天皇賞春ではキタサンブラックと2度目の対決となります。

このレースはサトノダイヤモンドとキタサンブラックの完全な2強状態でスタート、しかし前半1,000m5秒台という早い展開で動くに動けない状態でした。

いっぽうキタサンブラックは早めに先頭に立って逃げの戦法に打って出ます。
サトノダイヤモンドも必死に追いすがりますが、最後は届かず、キタサンブラックはそれまでディープインパクトが記録していたレコードタイムを1秒近く上回る時計で優勝しました。

その後予定通り凱旋門賞に挑むも前哨戦のフォワ賞、本番の凱旋門賞ともに良いところを見せられずに終わり、この年は休養に充てることとなります。

5歳は10月の京都大賞典を勝利したのみであとは精彩を欠き、有馬記念をもって引退、現在は種牡馬となっています。

グランアレグリア

ディープインパクト産駒で中距離以上の傑作と言えば先ほど紹介したジェンティルドンナですが、短距離・マイルの最高傑作と言えばどの馬かと問われれば、迷わずグランアレグリアの名前を出す人がほとんどでしょう。

グランアレグリアはサトノダイヤモンドと同様、クリストフ・ルメール騎手が主戦騎手となっていました。
新馬戦で従来の2歳新馬レコードを1秒以上更新するという驚異的なタイムで圧勝、2戦目にはいきなり重賞レースであるサウジアラビアカップを選びますが、なんと前回より体重を18キロも増やしての出走でした。

にも関わらず圧倒的1番人気に推されたグランアレグリアは、出遅れて後方からのスタートにもかかわらず、最後は3馬身以上をつけて圧勝で重賞初制覇を果たします。

ルメール騎手が香港国際競争に出走予定であるため、牝馬の2歳G1である阪神ジュベナイルフィリーズではなく、朝日杯フューチュリティステークスに出走、38年ぶりの牝馬による同レース制覇が期待されましたが、ここでは力及ばず3着に敗れてしまいました。

3歳になると桜花賞へ直行、このレースを前年アーモンドアイが記録したレコードを上回るタイムで勝って初のG1タイトルを獲得、オークスは会費してNHKマイルカップに出走しますが、ここでは本来の力を見せられず4着(斜行により最終的には5着)となってしまいます。

秋はスプリンターズステークスとマイルチャンピオンシップの出走を予定していたものの、脚に溜まった膿の治療により回避、12月の阪神カップが復帰戦となりました。

初の短距離ではありましたが、グランアレグリアは全く関係ない強い走りで圧勝、このレースでは初の3歳牝馬優勝となっています。

4歳初戦は高松宮記念に出走、ルメール騎手はドバイへ遠征していたため、鞍上は池添謙一騎手となっていました。
レースはスローペースで先行馬有利の展開となります。

グランアレグリアは直線でスパートをかけるも届かず3着でゴール、(その後繰り上がりで2着)池添騎手は結果を出さなければいけなかったと悔しいコメントを残しました。

次のレースは安田記念を選択、安田記念にはアーモンドアイも出走するため、ルメール騎手がどちらを選ぶか注目されていましたが、ルメール騎手はアーモンドアイを選択、グランアレグリアには池添騎手が継続騎乗となりました。

池添騎手にとってはここは負けられないレースだったでしょうし、グランアレグリア陣営にとっても、アーモンドアイを選択したルメール騎手に一泡吹かせてやりたいと思っていたのではないでしょうか。

完璧な仕上がりでレースに臨むことになり、オーナーは池添騎手に「絶対に勝てよ」と言っていたそうです。
池添騎手はこの期待にしっかり応え、アーモンドアイに2馬身差以上をつける圧勝でG1レース2勝目を飾りました。

秋はスプリンターズステークスを勝利してディープインパクト産駒としては初めてスプリントG1レースを制覇、さらにマイルチャンピオンシップにも勝利して、春秋マイル制覇を達成します。

5歳になると、グランアレグリア陣営は中距離制覇を達成するため、大阪杯に出走、ここでは3冠馬コントレイルとの対決が注目されましたが、馬場が重馬場という影響もあって4着に敗れます。

その後、マイルに戻ってヴィクトリアマイルに出走、ここでは最後の直線で一気に突き抜けると2着に4馬身差を付けて勝利しますが、続く安田記念では疲れが見えたのか、最後はダノンキングリーに交わされ2着になってしまいました。

秋初戦は再び中距離制覇を目指して天皇賞秋に出走、ここにはコントレイルのほかにさつき賞馬エフフォーリアも出走していました。
最終直線で一度先頭に立つものの、最後はエフフォーリアとコントレイルに交わされて3着に終わってしまいました。

そして、引退レースとなったマイルチャンピオンシップ、圧倒的1番人気となったグランアレグリアはその期待に応えて勝利、見事有終の美を飾ります。

グランアレグリアがデビューしたころはコロナ禍によって無観客でのレースを強いられていましたが、引退レースでは若干緩和され、馬名通り大歓声を受けながらターフを去ったのでした。

ラヴズオンリーユー

ラヴズオンリーユーは順調に成長していたこともあって、当初は夏の初出走をもくろんでいたのですが、この馬は成長が遅いと判断され、デビュー戦は11月となります。
レース前からかなり気負っていたものの、最終直線で抜群の末脚を見せるとデビュー戦を勝利で飾りました。

続く白菊賞でも他の馬とはモノが違うと評価された末脚で圧勝しますが、2歳G1は回避して休養します。
3歳は桜花賞出走をもくろんでいたのですが、細菌性の疾患を発症、桜花賞出走を諦め、オークス出走を目指すことにしました。

忘れな草賞を楽勝し、いよいよオークスに出走、レースでは初めてスタートを上手く飛び出し、10番手から直線を追走、最後はカレンブーケドールとの接戦を制して初のG1レースタイトルを手にします。

続くレースはエリザベス女王杯を選択するも初の敗戦となり、3歳を終えることとなりました。
4歳初戦はドバイシーマクラシックを予定していましたが、新型コロナウィルスのパンデミックによってレースそのものが中止となります。

代わりに出走したヴィクトリアマイル、秋のエリザベス女王杯と敗北、1勝もできないまま4歳を終えることとなりますが、年明けの京都記念で1年ぶりに勝利しました。

そして前年出走できなかったドバイシーマクラシックに出走、このレースでは日本からクロノジェネシスも出走、最終直線ではこの2頭にミシュリフを加えての3頭による叩き合いとなりましたが、最後は2頭に交わされて3着となります。

その後は香港に渡ってクイーンエリザベス2世カップに出走、このレースには無敗で牝馬三冠を達成したデアリングタクトほか有力な国内競走馬が参戦していましたが、ラヴズオンリーユーは直線で叩き合いを制して優勝、オークス依頼G1レース2勝目を達成しました。

そしてアメリカで開催されるBCフィリー&メアターフに出走、このレースもラヴズオンリーユーは勝利します。
このレースに日本で調教された競走馬が勝利するのは史上初めてのことであり、このことは当時大きなニュースとなりました。

そして12月には直接香港に移動して香港カップに出走、このレースが引退レースとなります。
引退レースでも最後の直線を抜け出すとそのまま勝利、見事に有終の美を飾ったのでした。
デビュー前の「この馬は成長が遅い」という予想は当たっていたというほかはなく、5歳時の活躍はすさまじいの一言です。

コントレイル

コントレイルは額の受話器のような流星が非常に印象的な馬で、お父さんのディープインパクト同様、無敗でクラシック三冠を制した名馬です。

初戦を2馬身以上の差で勝利、いきなり次戦に東京スポーツ杯2歳ステークスを選ぶとここでも勝利して2戦目にして重賞初制覇を達成、その後はホープフルステークスに直行してここでも勝利して3戦目で早くもG1馬となりました。

その後もトライアルレースをはさむことなく皐月賞、ダービーへと出走、皐月賞では鞍上の福永祐一騎手に初の皐月賞制覇をプレゼントし、ダービーではシンボリルドルフ、トウカイテイオー以来親子での無敗制覇を達成しています。

秋は神戸新聞杯に出走してここを完勝、無敗での三冠がかかる菊花賞へと進みます。
しかし正直なところ、3,000㎡というのはコントレイルには長すぎる距離であり、福永騎手は何とか凌いでくれという気持ちで乗っていたそうですが、コントレイルは根性で最後まで走り切り、ハナ差で先頭に立ってゴール、見事に無敗での三冠を達成したのでした。

もちろん親子での無敗クラシック三冠は史上初の快挙です。
その後はジャパンカップに出走、このレースは三冠牝馬アーモンドアイとデアリングタクトも出走しており、今でも伝説のレースと語り継がれています。

コントレイルは当時無敗だったデアリングタクトと共にこのレースで初の敗北を喫したのでした。
ここまでは無敗三冠馬として恥じないポテンシャルを見せたコントレイルだったのですが、4歳になってその強さに陰りが見え始めます。

初戦の大阪杯では前を走るレイパパレをまったく追えずに3着、宝塚記念は疲れが取れないという事もあって回避、秋初戦の天皇賞秋では3歳のエフフォーリアに届かず2着と無敗三冠馬初の連敗を喫したため、世間では市場最弱の三冠馬などと評する人たちも出てくるほどでした。

陣営は次のジャパンカップをラストランにすると発表、ジャパンカップでは単勝1.6倍の1番人気に推されます。
このレースでは最終直線で力強く抜け出し、最後は2着のオーソリティーに2馬身差をつけて勝利、見事に有終の美を飾ったのでした。

弱い三冠馬だと言われるコントレイルですが、実は全11戦全てで馬券圏外になっておらず、3着になったのも大阪杯ただ1度のみです。
この成績を見れば弱い三冠馬という評価は過ちだという事が分かるのではないでしょうか。

ディープインパクト産駒のラストクロップ達

ディープインパクト直結の産駒としては、2020年に誕生した馬たちが最後になります。
最終世代のことをラストクロップと呼ぶのですが、ディープインパクトのラストクロップはどんな馬たちなのでしょうか。

ディープインパクトのラストクロップは国内に6頭、海外に6頭いるのですが、その中でも最高の成績を残しているのが海外組の1頭であるオーギュストロダンです。

オーギュストロダンは英ダービーを制覇する快挙を達成しました。
また、ドラムロールが2023年5月に重賞初制覇を達成しています。

日本国内ではライトクオンタムがシンザン記念を勝利、G1レースにも出走するなど活躍しています。
これからもディープインパクトのラストクロップ達はレースに出走するので、活躍に期待しましょう。

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まとめ

ディープインパクトは中央競馬低迷時代に登場した、正に英雄という異名にふさわしいスターホースであり、出遅れて最高峰から前の馬をすべて抜き去って圧勝するというセオリーをまったく無視した走りでG1勝利を積み重ね、絶大な人気を誇りました。

更に種牡馬になっても7冠馬で顕彰馬になったジェンティルドンナをはじめ数々の名馬を輩出し、2021年ごろまではディープインパクト産駒が中央競馬界を席巻していました。

2023年にラストクロップがデビューしたため、ディープインパクト直結の子供たちはもう世の中に出ることはありませんが、これからはディープインパクトの孫たちが続々とデビューして活躍することでしょう。
ディープインパクト産駒には以下のような特徴があります。

ディープインパクト産駒の特徴
・瞬発力とスピードに優れる
・1,400㎡から2,400mで特に好成績
・最終直線が長い競馬場での連対率が高い
・早熟傾向

前述の通りディープインパクト直結の産駒はもう登場しませんが、ディープインパクト産駒の子供たちはこれからどんどんデビューしていきます。

競馬はブラッドスポーツと呼ばれるほど血統は競走馬の能力を左右するので、ディープインパクトの孫たちも少なからずディープインパクトの能力を受け継ぐ可能性が高いため、ディープインパクト産駒の特徴を覚えておけば役立つときがいつか来るでしょう。